渡来宏明のビンテージギターよもやま話

ビンテージギターを買ったり売ったりするブログ

carpenters / horizon

何回も語っているこのレコードですが。
まずこの笑ってないジャケをみてください。

リチャードは彼らのニコパチ写真が大嫌いだったらしく、
その意向がやっと通ったものと思われます。
不思議な事に、内容もこんな感じなのだから
恐れいりますね。

サウンドはかぶりがまったくなく、
全てがライン録りのような冷たい感じ。
プレイヤーも正確無比に一打一打
をうちこみます。(人間味ゼロ!)

だけれど、つめたいなかにもキラキラ光ったもの、
凍らしたダイヤモンドのような世界
がそこにはあります。

もっとも有名なブルースシンガーであるカレンは
絶好調で、さらさらと流れる涙のように透き通った歌唱は
この世のものとはおもえません。
生まれつき悲しみの果てをしっていたかのようです。

多分このレコーディング、つまらなかったでしょう。
つらかったでしょう。
が、カンペキすぎて怖いとこまでいっちゃたんですから
良しとしましょう。
コンピューターなしで今だれがここまでいけるでしょうか?

このアルバムでおわっていれば、かっこよかったんですが、
だってどう聴いてもラストアルバムのそれです。これは。

自作のカインドオブハッシュではあきらめたように
笑うふたりなのでした。